潰れた檸檬

自傷しなくても傷だらけ

ゲン

私の班とは違う班に2期上の先輩がいる。年齢は冒女と同じ21歳。だが同じクラスで再履修している。留年生である。

 

彼女の留年の理由は最初はわからなかった。あなたがもし常識的であれば、尋ねることすらできないだろう。だがTwitterメンタルヘルスによる留年を見てきた私は、そういうパターンだろうと勘繰っていた。実際当たった。

 

彼女の班の発表の時、彼女は自分の発言が終わるとしゃがんで俯いていた。体調が悪いのだろう。そして彼女は教室を出ていき、次のクラスにも参加しなかった。

 

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これが現実だ。Twitterでは日々精神疾患を抱えている人が「バイトの面接落ちた」「朝起きれなかった」「就活失敗した」などと言う。彼らだって頑張って目的を果たしたいのだ。しかし1人の手加減でどうにもならないグループワークにおいて身体に不調をきたした先輩の例を見ると、彼らを取り巻く環境がいかに厳しいものかというのがわかる。また、先輩は学籍番号からして現役で入学したと思われる。にも関わらず、上のような状態にある。先輩のような人にも単位を与えたらどうかという意見もあるかもしれない。否定はしないが、その状態で果たして本当に「履修した」と言えるのかどうか?訊かれたら「ノー」と答えるしかなくなるだろう。Twitterの伝達手段は限られているため、当事者による環境までは伝わりにくい。ツイートだけ見たらそれこそそんなの甘えなどと言う人がいる。だが今回はちゃんと現実を知ったからこそ、甘えではないしむしろ欲求と身体が衝突してかなり苦しい状態にあるということを言える。これから先、ツイートを解釈する時は彼らに限らずアカウントが取り巻く環境への考慮が必要となる。Twitterだけでは、限度があるのだ。