SAME
「お前のその手、大丈夫か?」
自分と中途半端な仲の人に限ってそう声をかけてくる。もちろんこれには悪意はない。むしろ心配してくれてるのでありがとうと言うべきなのだろう。でも本音を言わせていただくと、めんどくさい。
自分は生まれつき酷いアトピー持ちである。今年も大敵の季節がやってきた。そしてそれの一番の被害を受けるのは自分の手である。あかぎれが多い。いわゆるさめ肌だ。
そして毎年同じことを言われるのである。まただ。しかも今年は早い!昔は丁寧にお気遣いありがとうと言っていたのだが今はもうめんどくさいので笑って済ませた。気持ちが冷めたのだ。
毎年声をかけられるのであれば多少は身体に気をつけなければならない。そう思っていた時期もあった。しかしこの身体を21年も持つとケアをする気力も冷めてくる。だってアトピーなんて変わらないじゃん。よく治った!って聞くけど症状が緩和されるだけで本質的には変わらないんだよ。このさめ肌を持ち続けなければならないんだ。昔は皮膚科に定期的に行って薬を貰っていたが同じことの繰り返しでその行為にバカバカしさを覚えるようになった。
今書いてるこの時点ではまだマシな方だ。本当に酷い時なんて文を打つことすらしなくなる。まだこの気力があるうちに文を打っていこうと思った。
このさめ肌は、生まれてから死ぬまでずっと同じ。生まれがダメだと気持ちも冷めてしまいがちだよね。身体も心も冷める季節、今年は何が自分を暖めるのだろう。
こんな自分に同情してしまう。ノルウェイの森の永沢さんならそうはならないだろう。でも今通っているところはウェイの森なのだから、多少は許されるよね。多少はね。
P.S.