潰れた檸檬

自傷しなくても傷だらけ

ライフ・ドリーム

山の中にある大学で自分はプレゼンの資料を作っていた。途中でその材料を買いに行くために大学の外に出た。

 

しかし自分の通っている大学にも関わらず大学が山の中というのもあり途中で道に迷ってしまった。気がつけば山にありがちな異空間にたどり着いた。なんと、そこでは「天上人(=地球人)は追い出される」という文化が成立していたのだ。それを知らずに公園で泣いてる女の子に声をかけた。するとその子はうるせえ!って言って唾をかけてきた。自分はそれでも笑顔で「いやぁ~参った!じゃあな!」って言ってその子にサヨナラをした。その子の表情はどこか寂しげだった。

 

朝ドラ初回の最後のシーンみたいな情景が終わったら今度は別の人々に追いかけられた。何とか彼らから逃げ切るためにあるビルに入った。そのビルは研究所だった。部屋を覗いたら詳細は不明だが研究の内容は把握できた。地球人研究である。すぐさま狭い部屋に逃げたのだが見つかってしまい、部屋のガラスを棒で叩き割られ遂にはこちらに襲ってきた。少し強く叩かれるなどの暴力は受けたがまたすぐに逃げ切った。

 

今度はもうわけのわからないままに逃げた。そしてある古臭いビルの2階に行った。どうやら美容院だった。でもその美容院も結局異空間の建物であることは少なからず認識していたので「理由は言えないんですけどとにかくここに居たいんです。」と苦し紛れの弁明をした。「ああ、いいですよ。」と何もためらいもなく許してもらった。

 

しばらく休んでいたら店主がせっかくだから髪切ってあげるよと言ってきた。財布の中見たら1万円札が入っていたのでまあ命が助かったら安いもんだと思いカット代として先に5000円払った。会計の際に後ろに恐らく三十路のバニーガール美女がうろついていたが自分のいる界隈的には普通のことだろうという解釈で済ませた。 

 

椅子に座りカットが始まるのを待っていた。始まるまでが長すぎたので少し寝てしまった。そして来たのは例のバニーガールだった。まず彼女はいきなり自分を見るなりディープキスをしてきた。自分は別に抵抗がなかったので普通にそれに応じた。ここまででもう興奮した。そして彼女は自分のペニスに目をやった。そしたらにこやかに電マをペニスのつけ根に当ててきた。他の客もいるというのにけしからん!

 

状況が理解できなかった。まず股間に電マを当ててくる時点で相手の意図が分からなかった。仮に射精して欲しいという意図があるとしよう。他にも客がいるんだよ!おかしいじゃないか!でも逆に、他に客がいるにも関わらずバニーガールがうろつき、しかもキスをしてくるというのは性的なことに関しては気にしないのがその店にとっての普通なのかもしれない。じゃあ射精していいのか?いや、他の人の目もあるし... めちゃくちゃ迷った。射精が意図か、それとも意図じゃないのか。

 

迷っていたら目が覚めた。はっきり言って夢精しそうだった。消化不良みたいな感触もしたからいっそのこと夢精してしまえば良かったのかも...

 

* * *

 

ここまで夢について詳細に書けたのは、夢から覚めた時間が5時だったからだ。すぐさまスマホに手を伸ばしメモ帳に書き起こした。

 

書き起こしている最中に、今回の夢の内容そのものを自分の今までと照らし合わせた。日常生活から抜け出して、わけのわからない決まりに従うように強制されたけどそれに露骨に反発することもなかった。そこから脱したら今度はリンチみたいなのを受けた。そこから抜けたら金を払いさえすれば性欲を満たせるような場所。でもそこに愛はない。

 

まさに自分のライフであった。ある時期までは普通だった。しかし突然抜け出して変な規則に従えと言われ逃げたらリンチ。そして最後の逃げ場所はよりによって性...でも夢の場合自分の命、つまりマイライフを守るためには仕方の無い行動だった。マイライフを守ることがマイライフであった。

 

逃げ続けた人生だった。でも逃げなければ自分の人生はなかった。そのまま環境に揉まれて今よりずっと麻痺していただろう。逃げなければならなかった。自分の命を守るためにはそれしか手段はなかった。ライフはライフによって成立している。

 

ちなみに、よく使ってるスーパーはライフである。どの道、自分はライフについて考えずにはいられないのである。