潰れた檸檬

自傷しなくても傷だらけ

ひかりとハゲ


知り合いにひかりという名前の女の子がいる。


彼女は髪を染めている。会うたびに髪色が変わってるような気がしてならない。自分は髪が痛む心配をしたがその心配は無用らしい。それに対し自分は髪を染めていない。こういう表現をしても意味がないのだが、自分は黒髪である。ひかりと自分が並んで歩くと自分だけ何も変わっていないんだなと思うことがある。

 

自分も染めようかと思った。でも派遣会社が染髪を禁止しているのもあってやめた。でもこんなの言い訳にしか過ぎない。染髪しない本当の理由は、「ハゲるから」だ。


自分の家系は先祖代々ハゲの家系である。恐らく自分もハゲる。それなのに染髪なんてしたら余計にハゲてしまう。大学生、というより自分と近い世代はなぜ染髪したがるのだろう?聞ける範囲で染髪した人に理由を聞いている。かなり多かった答えが「社会人になったら染髪できないから」だった。なるほどね...

 

もちろん全員が全員そうではないけど、髪を染めるという行為自体社会のしきたりに準じた行為だと思った 。だって社会人になったら染髪できないから今そうするってことは自分が社会人になれるという前提があってのことだよね?それってある種幸せなのでは。未来なんて誰にもわからない。なのによくそんなことが言えるよなと。ここに自分はある種の闇を感じる。

 

何も考えないで自分の将来があると決めるのは幸せなことでもあり、不幸なことでもある。自分も、数年前までは自分はハゲないと思っていた。今はまだハゲていないけど、父親や祖父の頭を見てはハゲると確信した。将来を決め込んでいるということは、明暗両方の側面を含んでいる。

 

光と影でいったら影の道を歩むことになる。髪に関しては暗い方向なのだから。せっかくポジティブになりかけてるのにまたネガティブになりそうだ。もちろん俺らは抵抗するで?こぶ...いや、頭で。頭で暗い道を照らすで?