みゃく

 インターン先は通信と人材の会社を兼ねている。大学生が自主的にイベント企画や営業を学んでいる会社である。最も、代表が大学生ってのもある。

 先日見学ということで、イベントの反省会に参加した。具体的には、スプレッドシートがめちゃくちゃだと。進行がグダグダ、発言の棒読みなどが挙げられた。

 イベントの内容を見てみた。「渋谷の会議室でディスカッションイベント！参加費500円！」

 いやいやいやwww 渋谷でディスカッションとか誰も参加しないでしょ？ あとうちの大学で比較するならわざわざ渋谷まで行く人いないよ？ まあ君は23区だからワンチャンあるけどさ... それにしても500円取るって...こんなのに金払って参加する人、何にでも騙される人でしよ？

 そう思って、イベントを主催したA大学2年生のKから参加者名簿を見せてもらった。すると、A大学から10名以上の参加、それに加え他大学の1名により約15名そのイベントに参加していたのだ。

 負けた...

 Kはいつもヘラヘラしているように見える大学生だった。あまり自分の意見があるタイプではない。喋ってることも平凡である。しかし強みがあった。いつもニコニコしているのである。初対面の時に「こいつ俺の事バカにしてんのか？」とも思ったけど、とにかくニコニコしている。確かに彼に誘われたら言ってしまうのも頷ける。何も無いかもしれないけど何かあるかもしれない。でも内容見た感じ薄い。何故この会社でインターンしているのか分からない*のだが、それなりの結果を残している。

 私はある種の敗北を感じた。Kは営業やPRが上手いのだ。自分の意見とか持つタイプではないけど、確実に集客はできる。そんな奴だった。一方私は、意見は持っているけど集客は難しい。実際、私が携わったプロジェクトで後ろに着いてくる人は少ない。タイプが真逆であり、今まで彼をヘラヘラした人間として軽蔑していたがリスペクトに変わった。そして仲良くなった。

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 仕事の出来が集客で決まるなんて悲しい世界だと思う。しかし売上を計上できるのであればその人の方が優秀なのは間違いない。アイデアをベースに行動し、人を評価している自分としては悔しい話だが、これは現実(リアル)だ。

 私には脈がないのだ。いくらフォロワーが1500人以上いたって、ある程度喋れるからといって私との繋がりが脈になる保証はない。むしろKの方が母数が少ないはずなのでは？そうなると、人脈は侮れない。

 でも話していてわかるのである。「この人は自分に"脈"がない」と。就活をするにつれてそう感じさせられる場面が非常に増えた。うんざりだ。だったら自分から脈をはかってやろうか。注射打ってやろうか。そのレベルである。連れよりも脈を。そう思った日だった。そしてKと私が脈があるのかすら、脈絡がないのだった。

* ここの会社は、通信端末を売る会社というより「端末を売る営業を通じて社会人の基礎を身につける」という意図がある。その意図があるから実態は学生が学生を支援する就活会社みたいなところがある。胡散臭いが、私自身コンサル業界で営業の実績を書くために端末販売を行っていたことがある。結局実績残せなかったからコンサル辞めたし志望業界変えたけどね。だから所謂「意識高い系」が集まるため、Kの存在を疑問に思った。