潰れた檸檬

自傷しなくても傷だらけ

クライシスター

 「自分は親の存在に対してコンプレックスがあった。だから授業参観には来てほしくなかった。でも来てしまったのでめちゃくちゃ親に対してブチギレてしまった。」こういう経験、経験した人が多いのではないだろうか。  

 

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 中1の体育祭の時の出来事だった。家族が休み時間中会いに来たのだが、その時自分は担任から支給されたカイロを持っていた。だから妹が「ちょうだいよー」って絡みに来た。自分は本当に嫌だったからポケットにしまった。妹がしつこかった。その様子を、人に見られやすい場所でやったせいで大勢の同期が見つけてしまった。その日からずっと「シスコン(シスターコンプレックスの略)」というあだ名が付けられた。勿論そのことはすぐに自分の耳に入ってしまったため、帰宅するとなると家族に対して「二度とうちの学校に来ないでくれ!」と激怒したし、妹に関しては「お前が絡んだせいで学校生活めちゃくちゃだ。あの時俺の言うこと聞いてたらこうはならなかった*。」と言った。しかし家族は納得せず、妹に関しては「だってあの時はお兄ちゃんがカイロをくれなかったから...」と反省する素振りもない。

 

 人間は、(少なくともうちの家族はバカじゃないから)理不尽に怒られたりすると嫌いたくなるものである。この件で両親は自分の事を段々と嫌い始めたし、妹も妹でもっと軽蔑の対象になったと思う。まず、そもそも自分に対して多少なりとも尊敬の念があれば上記の指摘に対してすぐに謝るはずだ。しかし、それが無かったってことは、そもそも自分が妹にとって軽蔑の存在でしかなかった事が証明される。

 

 嫌々で入った偏差値低い私立中学校で、元々良い扱い受けてなかったのにそれが加速してしまったのだ。周囲の人どころか家族からもリスペクトされないとなると、もう自分は誰かを尊敬することがバカバカしくなってくる。この時辺りから、(下手したら今でも)ずっと「周囲は敵だ」という状態が続くのである。この頃から、誰と接してもあらゆる局面でクライシスが続いた。

 

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 散々ブログで書いてる通り、自分は妹が嫌いというか生理的に受け付けない。同じ親なのに全然性格が異なる。違う世界線なのだろう。

 

 勿論妹という存在を画一的に議論しようとは思わないが、中には妹が欲しかったと言う者もいるだろう。そのような題材のアニメも知ってはいる。そのアニメは、正直当事者からするの見るに堪えない存在ではある。しかし、だからと言って規制しろ!とは思わない。

 

 妹の存在によって救われた人もいれば、嫌な思いをした人もいる。だからいくら自分が上記の表現物に対する持論を言ったところで、妹の存在で得した人や欲しかった人が反対するであろう。それに勝てる自信はないし、むしろ別場面で自分は"反対側"に回る可能性がある。そして自分はたまたま妹関連の創作物に対して生理的に無理な感想を抱く者だったのだ。リアルを話させてもらうと妹の存在で得した経験が少ないので、きょうだい喧嘩した時は親に「アンタらが中出しセックスしたからこうなったんだ!そんなにセックスがしたかったんか!!!」とブチギレることがある。これは別に特段間違ってない指摘だと思っている。何故ならどのヒトも、精子卵子がたまたま融合しただけの存在なのだから...

 

 だから、一番最初のような話を聞いた時に「酷い!」とか思う必要も無いし自責する必要も無い。人間は、生きている上で立場というものが存在する。立場は時折不透明もしくは明瞭になるものなのだ。そしてこの記事を読んだ人は、上記に似た経験を聞いた時でも悪く思わないでいただきたい。そしてこういう話を片隅で聞いて悪く思う人程立場の概念が欠落していると感じるし、そういう人が自分と接する時に一番足りない概念だと思っている。

 

 では、何故 「自分は親の存在に対してコンプレックスがあった。だから授業参観には来てほしくなかった。でも来てしまったのでめちゃくちゃ親に対してブチギレてしまった。」関連の話に対して「親不孝」という言葉を軽々しく言う人がいるのか。それは、親不孝だと言う側が言われた側の心情に共感しにくいからなのだ。これと似たような出来事は親と子の関係でも有り得ることなので、いつか立場を気にせずに本音をフラットに話せる場所があると、いいね... 今の人達は、そういうことを考えられる余裕が無いクライシスに陥っているんじゃないかな...

 

*元々学校生活で上手くいってなくて、その上で上記の出来事で火に油を注ぐ形になっただけなのですが八つ当たりをしました。この時の責任転嫁は自分の認識不足かつ知性の無さだと感じています。